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立岩

下仁田インタ−からおよそ20km西に入った、甘楽郡南牧村の「立岩」(1265m)に向かいました。11月2日の土曜日、7時30分伊勢崎インタ−通過です。
 時代の流れが止まったような集落を過ぎると、正面の山合いに、名前を象徴するような岩山が、にょきっとその頭をのぞかせています。
 9時20分、林道終点より登山開始。

 気持ちよいほど真っ直ぐに伸びた杉林の中を一時間ほど歩くと、ガレ場に出ます。そこを少し登ると、右の岸壁にくさりの付いた斜めのバンドに出くわします。取り付いてみると、かなり細く右側が切れ、落ちそうでこわいです。おっかなびっくりしながら、何とか乗り越えて、震えました。この先も何カ所かくさり場がありましたが、ここが一番の難所でした。

 木々の間から、屹立している立岩の西岩峰が見えてきたので、稜線に上がってみました。それはすぐそばに、ところどころ紅葉に彩られて青空にせりあがっていました。双眼鏡を取り出し、遠く西側の山々を展望してみると、雪山となった八ヶ岳が青く光り、その手前の山の木々は、寒々と雪に覆われています。冬が、もうすぐそばまで来ています。

  11時45分、裏側から回り込んで最後の急斜面を登り切り、稜線から山頂に出ると、北面が開けて、きのう降ったと思われる雪で浅間山がきれいでした。眼前に広がる山々は、色とりどりの秋の糸で織り込まれた絨毯のようです。

 山頂で1時間半ほどゆっくりと過ごしたあと、13時10分下山開始。
 一時間ほど歩くと、30mぐらいの高さのえぐられた岸壁から、雨のような水滴が降り注ぐ異様な場所に出ました。ここが威怒牟幾(イヌムギ)不動という所のようです。何となく神がかり的な雰囲気の場所で、滝の下部に朽ちかかった木造のお堂らしき建物がありました。滝の落ち口は、紅葉です。ガイドブックによると、「創建は1750年と古く、昔は参拝者も多かった」ということでした。

 そこから1時間歩いて15時に、登山口着。
 登りに十二分な時間をかけ、ゆっくり休んで、総計5時間40分ののんびり登山でした。

 このコ−スは、整備もさることながら、途中に板厚のベンチがおかれたりしてあって、登山者への思いを感じました。色づいた柿の実が、印象に残る村でもありました。 
 


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