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01.11.11  小野子山ー中ノ岳ー 十二ケ岳


11月11日、日曜朝6時、視界100メ−トルの深い霧の中、太田を出発。

 赤堀近くになって、霧が晴れ、急に視界が広がってきた。朝の光を受けて、遠くの山々を背景に刈り取ったあとの田が晩秋を感じさせる。溝呂木から渋川に降りる坂道からは榛名山と対峙するが、太陽が低いせいか各峰々の形が前後にはっきりと位置するのが見えて、ふだんは見られないごつごつとした山塊がよくわかる。

 渋川新治線に入ると、子持、小野子の両山が眼前に見えてくる。正面左には真っ白な雪を抱いた浅間山が顔をのぞかせ、冬を予感させる。

 高山村に入って左折すると、秋色に彩られた牧場を従えて小野子山がその姿を誇っている。林道を少しつめて、登山道入口着。登山開始は9時丁度。

 空が真っ青に広がった静かな登山道を数週間ぶりに歩く。このところの
天候の悪さもさることながら疲れ気味のせいもあって、3週間ぶりの山歩きである。途中から尾根道に入るが、上部はかなりの傾斜である。あえぎながら1時間強で小野子山の山頂に着く。来合わせたグル−プの方たちと遠望の山々を確かめながら小休止の後、中の岳へ。

 これがまた急降下。せっかく登ってきたのにと後悔させるには充分なくだり。くだったかと思うとすぐまた中の岳への登り。これがまたきつい。小ピ−クをいくつか越えてようやく山頂へ。ここは木木々覆われて視界は効かない。そして十二ガ岳へ向かうため、また下がり始める。山裾は紅葉の色合いであったが、中腹以上は裸木に囲まれ、尾根道は落ち葉に覆われて、カサコソと冬枯れの雰囲気を感じさせ。

 20分ほど下った後、また登り。でももう体がもたない。疲れてしまって、足が前に出ない。ザックを投げ出し、尾根道にぶっ倒れて、恥も外聞もなく大の字に。横を通り過ぎる足音を耳にしながらも動けず。ひと寝入りの後、しかたなくまた歩を進める。
 休み休み、一歩二歩。そしてまたしばし休止。それにしても急な斜面である。木の根にしがみつき、木の枝に体をあずけながら、あえぎあえぎ登る。ふと前方の人声で顔を上げると、空が見えてやっと頂上。12時5分着、「う−っ、まいった。」

 山頂にはおよそ50人弱、思い思いに展望や昼食を楽しんでいる。しかし私はもう疲れきってしまって、食べる気さえ起こらない。しばらくすると場所が少し空いてきたので、平らな場所にシ−トを敷き、ごろりと横になった。陽があたり、ぽかぽかといい気持ち。

 気がつくと時計は1時を回っている。ようやく食欲を覚えてにぎりめしを口にする。晴れてはいるが南側はややガスっている。北面はきれいに晴れ渡っているが、山頂の標高が低いせいか、それほどの景観ではない。しかし周りは360度の気持ちの良い眺望である。

 下山を考えると、また降りて、登って、また降りて登ってと考えるととてもじゃないが降りたくなくなる。来る途中に「高山村へ」あった標識に従って、林道を経由して戻る道があるようだが、今ひとつはっきりしない。下山しようとしている人に聞いてみると、地図を広げて見てくれた。どうやら林道の方が時間がかかるらしい。

 降り始めて、途中登ってきた人に「まったくこの山は登ったり降りたりで、本当にきついですねえ。」とぼやくが、曰く「けっこうおもしろいですねえ。」との返事。確かに私は「山」に来たのである。登ったり降りたりするために来たのだ。それをぼやいているようでは、・・・・・・・・・・。

 あとで調べてみたのだが、登山口の標高が800m、小野子山の山頂が1200mで、山頂まではわずか600mの標高差である。その後150m程度の下りと登りを2回繰り返して十二ケ岳。下山はその反対である。それほどでもないのだが。

 帰路は、結局最後の小野子山への登りに負けて、林道をくだり、廻りこんでもとの登山口に戻った。長い道のりであったが、東面の子持牧場と夕日に照らされた高山村の天文台を見ながらの快適な林道歩きであった。

 登山口に戻った時刻は4時ちょっと前。昼寝の時間を除けば所要時間5時間弱でほぼ標準コ−スタイム。

 それにしても、つらい山行であった。二度と・・・・・・・・・・の思いであった。こんな調子では、もう山に行けなくなるのか。こころして節制しなければ、と思いつつ食べてしまう今日この頃。


7L1EZX 大島作
小野子三山 十二ケ岳

帰路の尾根道


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